Googleアナリティクス側でSSL化されたYahoo!検索からの流入もorganic扱いするように仕様変更が完了
2015年09月28日

以前にコラムにて取り上げたYahoo!検索がSSL化することで、Googleアナリティクスでは参照元がsearch.yahoo.co.jpとなり、メディアがreferralとして計測されてしまう問題にて、Googleアナリティクス側にて対応が完了したと見られるため、改めてコラムにて報告させていただきます。

  1. Yahoo!検索がSSL化することでGoogleアナリティクスではどのように計測されていたのか
  2. Googleアナリティクス側での対応が完了
  3. フィルタ設定が不必要に

Yahoo!検索がSSL化することでGoogleアナリティクスではどのように計測されていたのか

Yahoo!検索が8月18日から段階的にSSL化されていきました。GoogleアナリティクスではSSL化されていないYahoo!検索のorganic検索からの流入は「参照元/メディア」が「yahoo / organic」として計測されていたのに対し、SSL化されたYahoo!検索のorganic検索からの流入は「参照元/メディア」が「search.yahoo.co.jp / referral」として計測されてしまうという問題が発生していました。Yahoo!検索の現在の仕様とは異なるものの、「参照元/メディア」が「search.yahoo.co.jp / referral」として計測されてしまう理由としては、以前のコラムにて検証した結果が近しいものとなります。

Yahooの検索結果がSSL化したことによるGoogleアナリティクスの現状とこれから

そのため、GoogleアナリティクスでSSL化されたYahoo!検索のorganic検索からの流入においても「参照元/メディア」を「yahoo / organic」として計測するために必要なフィルタ設定として、下記の方法をご紹介させていただきました。

Googleアナリティクスで [search.yahoo.co.jp / referral] を [yahoo / organic] として計測する方法

しかし、Googleアナリティクス側にて仕様変更を対応していただいたようで、上記のフィルタ設定は不必要となります。

Googleアナリティクス側での対応が完了

大規模サイトを中心にGoogleアナリティクスのデータを確認すると、「参照元/メディア」が「search.yahoo.co.jp / referral」として計測されている数値が2015年9月16日頃から大きく減少していることから、16日~18日前後にGoogleアナリティクス側でYahoo!検索の処理に対応したのではないかと推測できます。
以前のコラムでもとりあげたga.jsの記述内容を確認してみると以下の部分が変更されていることがわかります。ga.jsに書かれている記述内容を確認するためには、「http://www.google-analytics.com/ga.js」へアクセスすることで記述内容を確認することができます。
ユニバーサルアナリティクスであるanalytics.jsは、検索エンジンの判定ロジックをサーバーサイドに移してしまったと思われるため、ga.jsでの確認方法となります。

(対応完了前)
対応完了前画面
(対応完了後)
対応完了画面

青く色をつけた箇所はga.jsにおいて、SSL化された検索エンジンのorganic検索から流入した際は、キーワードに(not provided)を挿入すると解釈することができる記述部分になりますが、赤枠で囲った箇所からわかるようにYahoo!検索における記述に変化が見られることがわかります。

対応前は下記のように米Yahoo!の検索が対象だったのに対し

https?:\/\/(r\.)?search\.yahoo\.com\/?[^?]*$/i,rf=

対応完了後は下記のように日Yahoo!のYahoo!検索も対象とされていることがわかります。

https?:\/\/(r\.)?search\.yahoo\.com?(\.jp)?\/?[^?]*$/i,rf=

実際にSSL化されたYahoo!検索からフィルタをかけていないビューにて、どのように計測されるか検証してみます。
まずは、Yahoo!検索の検索結果ページをSSL化させます。

Yahoo!検索結果画面

コーポレートサイトをクリックし、Googleアナリティクスのリアルタイムレポートの結果を確認します。

GAリアルタイムレポート画面

上記のリアルタイムレポートは、「参照元(ソース)」を「yahoo」のみに絞っていますが、キーワードとして(not provided)が計測されていることが確認できます。
先ほど記述したGoogleアナリティクスのコードはga.jsですが、リアルタイムレポートで検証したプロパティはanalytics.jsでトラッキングしているため、ユニバーサルアナリティクスに対しても対応は完了していると考えることができます。

フィルタ設定が不必要に

今回のGoogleアナリティクス側の仕様による対応で、以前のコラムでも取り上げた「参照元/メディア」が「search.yahoo.co.jp / referral」として計測されるのをGoogleアナリティクスの設定で用意されているフィルタを利用して、「yahoo / organic」として計測するフィルタは不要のものとなります。

Yahoo!検索結果画面

Googleアナリティクスで計測される「参照元」が「search.yahoo.co.jp」としての流入がなくなりますので、フィルタが存在しても問題ありませんが、不要なフィルタとなりますので消してしまっても問題ありません。

えっ!? Googleアナリティクス側の仕様で対応したと言われても、「参照元/メディア」が「search.yahoo.co.jp / referral」として計測されるデータが一定数いると不安に思われる方もしるかもしれません。

Yahoo!検索結果画面

安心して下さい。こちらもGoogleアナリティクスの仕様となり、「参照元/メディア」が「search.yahoo.co.jp / referral」でサイトへ流入したユーザーが、次にお気に入りなどの参照元が取得できない(direct)でサイトへ流入した際に、以前の参照元を引き継いでしまった結果となります。「search.yahoo.co.jp / referral」でサイトへ流入したユーザーが違う参照元を経由する、キャンペーンパラメータが付与されたURLでサイトへ流入するなどすることにより、参照元が上書きされ減少していきます。
もし、Googleアナリティクスでモニタリングレポートを作成している際は、8月18日以降で「参照元/メディア」が「search.yahoo.co.jp / referral」で流入したセッションを「yahoo/organic」へ数値を統合しレポートを作成するように対応しましょう。