Googleの新検索アルゴリズム「Hummingbird(ハミングバード)」のすべて

日付:
2013/9/27
カテゴリ:
SEO
ライター:
Danny Sullivan(翻訳)

※この記事はSearch Engine Landの許諾を得て、以下の記事を翻訳したものです。
FAQ: All About The New Google “Hummingbird” Algorithm

Googleが、検索実行時に、保有している全情報から検索結果を選び出すために使用する、新しい検索アルゴリズムを導入。「Hummingbird」と呼ばれるこの新検索アルゴリズムについて、FAQ形式で、これまで得た情報をまとめた。

「検索アルゴリズム」とは何か?

「検索アルゴリズム」は技術用語である。Googleはユーザーにとって最良の回答だと考える検索結果を出すため、莫大な数のWebページやGoogleが保有するあらゆる情報から検索結果を選び出す。その際に、Googleが使用するレシピのようなものである。

「Hummingbird」とは何か?

Googleが使用中の新しい検索アルゴリズムの名前である。Googleによれば、Hummingbirdは検索結果をより良くする。

「PageRank」アルゴリズムは消滅したのか?

答えはノーだ。PageRankは、Hummingbirdレシピで使われる200種類以上の主要「材料」のひとつである。HummingbirdはPageRankを検証し、あるページへのリンクの重要度を判断すると同時に、ページがGoogleの基準で判断して良質なものかどうか、ページで使用されている単語、その他多くの内容など、様々な要因を検証する(この点に関してさらに理解するためには『SEOの成功要因の周期表』を参照)。

Hummingbirdの名前の由来は?

Googleによれば、この名前は「正確で高速」であることを意味している。

Hummingbirdの稼働が開始されたのはいつか? 今日?

Googleによれば、 Hummingbirdの使用を開始したのは 約1ヶ月前である。Googleは 今日になってその変更を発表した。

Hummingbirdが使用されるようになったことは何を意味するのか?

1950年代に製造された自動車を考えるといい。高性能のエンジンを搭載していたかもしれないが、燃料噴射などが欠けていたかもしれないし、無鉛燃料の使用が不可能なエンジンであったかもしれない。Googleが行ったHummingbirdへの切替えは、この自動車から古いエンジンを取り除き、新しいエンジンを取り付けたようなものである。そして、Googleはこの変更を非常に素早く実行したので、誰もこの変更に気付かなかった。

今回のようにGoogleが検索アルゴリズムを変更したのはいつ以来のことか?

前回、今回同様の大規模な変更を行ったのがいつのことか思い出すのにGoogleは苦労していた。2010年の「カフェインアップデート」は大きな変更だった。しかし、その変更は、情報から検索結果を選択する点ではなく、主に Google の情報収集(インデックス付け)の改良を助けるためのものであった。Google検索チーフのアミット・シンガル氏から聞いた話では、検索アルゴリズムがこれほど大規模に書き直されたのは、おそらくシンガル氏が最初に同社に入社した2001年だろうということだ。

ペンギンやパンダ、その他の「アップデート」はどうか? これらのアップデートでは検索アルゴリズムは変更されなかったのか?

パンダペンギン、その他のアップデートは、旧アルゴリズムの一部の変更であり、検索アルゴリズム全体を変更するものではなかった。ここでもまた、車のエンジンに例えてみる。これらの変更は、新しいオイルフィルターの追加や、改良されたポンプの装備のようなものであった。Hummingbirdは、ペンギンやパンダのような旧アルゴリズムと同じ部品を一部使用し続けてはいるものの、全く新しいエンジンであると言える。

この新しいエンジンは古い部品を使用しているのか?

そうとも言えるし、そうでない部分もある。一部の部品は完璧に機能しているので、それを排除する理由は全くなかった。他の部品は常に置き換えられている。Google によれば、一般的に、Hummingbirdは既存部品と新しい部品の両方を使用して作られた新しいエンジンであり、10年前の検索ニーズのために当時の技術を使って作られたものではなく、とりわけ今日の検索要求に対応するためにまとめられたものである。

Hummingbirdはどんな種類の「新しい」検索アクティビティに役立つのか?

Google が提示した最重要例のひとつは「会話型検索」である。音声による検索をするユーザーにとって、会話をしながらの検索はより便利かもしれない。
「iPnone 5を購入できる自宅から最も近い場所はどこか?」従来の検索エンジンは単語の一致を見出すことに焦点を合わせたかもしれない。例えば、「購入」、「iPhone 5」と書かれたページを見つけることである。

Hummingbirdは、単語のバックグラウンドにある意味に焦点を当てるのが得意だということだ。自宅の位置情報をGoogleと共有していれば、Hummingbirdはあなたの自宅の実際の位置をより正確に理解する。「場所」という単語から、あなたが実店舗の情報を求めていることを理解するかもしれない。「iPhone 5」からは、ある特定の店舗が取り扱う特定の種類の電子機器のことだと理解するかもしれない。これらの意味をすべて理解することにより、単語が一致するベージを見つけ出す以上のことが出来るようになるかもしれない。

特に、Hummingbirdは検索キーワードの各単語により注意を払い、特定の単語というよりは、 検索キーワード全体、すなわち、文章、会話、意味の全体を確実に考慮するようにしていると、Googleは説明した。これは、単に数個の単語が一致しているページよりも、意味が一致するページに価値を置くということである。

この種の会話型検索をすでに行っていると思っていた!

行っていたのだが(「Googleのすばらしい『会話型検索』がChromeで稼働開始」参照)、実際にはナレッジグラフの検索結果内に使用されていただけだ。ナレッジグラフの情報に加えて、さらにより良い検索結果をもたらしうるこの意味を理解する技術。それをWeb全体の何十億ものページに適用するように、Hummingbirdはデザインされている。

これは実際に機能するのか? 変更前後の違いはあるか?

わからない。今のところ、私たちには変更前後の比較を行う手だてはない。あるのは、Hummingbirdが物事を改善しているというGoogleの発言だけである。 Googleは、Hummingbirdの改善点を示す同社による変更前後の比較例をいくつか提示した。

「胃酸 逆流 処方薬」の検索は、今までは数多くの薬を一覧表示したが(Googleが示したページ例)、これらの薬が、この病気を治療する最適な方法であるとは限らなかった。Googleの説明によれば、現在、検索結果には、そもそも薬が必要かどうか、このページのような検索結果を含む、一般的な治療に関する情報も含まれる。

「シチズンバンクとトラストバンクから請求書の支払いをする」という検索では、これまでは、検索結果にシチズンバンクのホームページが表示されたが、現在では、請求書の支払いに関する具体的なページが表示されるはずだ。

Googleによれば、「ピザハット 一切れのカロリー」の検索では、これまでは、ピザハットからの情報ではなく、このような結果を一覧表示した。現在は、ピザハットのサイトから直接入手したこの答えを表示すると、Googleは述べている。

これによってGooglewは悪化するか?

それはほぼ確実にないだろう。Googleがさらに良くなるとも言えないが、Hummingbirdが実際に先月使われていた。しかしGoogleの検索結果が悪化したという利用者の不平がわき上がっていないことも確かだ。サービスが悪化すると、ユーザーは不平を言う。サービスが改良されても、大抵の場合、ユーザーは気付かない。

SEOは消滅したのか?

いいえ、SEO(検索エンジン最適化)もまだ消滅していない。実際、SEO専門家やパブリッシャーが懸念する必要のある新しい点や変更は、何もないとGoogleは述べている。ガイダンスは相変わらず同じである。オリジナルで質の高いコンテンツを持つ事。これまで重要だったシグナルは、重要なままである。Hummingbirdにより、Googleは、新しい、願わくはより良い手段でシグナルを処理することができるようになるというだけのことだ。

Googleからのトラフィックを失うことになるか?

先月トラフィックを失わなかったのなら、Hummingbirdで傷一つ負わなかったということだ。結局のところ、Hummingbirdはひと月前に稼働していたのである。Hummingbirdが理由で問題が生じるのであれば、現時点ですでにそれに気付いているはずだ。

全体的に見て、ランキングが落ちたというパブリッシャーからの大きな抗議の声はない。これは、今回の変更が特定の検索、特に複雑な検索を改良しうる、検索キーワードに影響を与えるものであり、結果として大きなトラフィックの変更を生じうる「重大な」条件に影響を与えるようなものではないという、Google の発言を裏付けているようである。

しかし、私はトラフィックを失った!

おそらく、Hummingbirdの影響だろう。しかし、この検索アルゴリズムの他の部分は、常時、変更が行われ、微調整され、改良されているので、その影響かもしれないという点をGoogleは強調している。この点を知る方法はない。

ここに記載された情報をどこから入手したのか?

この情報の一部は、今日行われたプレスイベントでGoogleが発表したものであり、それ以外の情報は、プレスイベントの後、Googleの検索担当のトップ管理職の2人、アミット・シンガル氏とベン・ゴメズ氏からより詳しく話を聞いたものである。近いうちに、この会話から得た情報で、今回の変更についてきちんと見解を示したいとも思っている。現時点では、これらの会話を基にした今回の簡単なFAQ形式の内容が役に立てば幸いである。

ところで、このHummingbirdが実行する「意味」を基準にした検索のことを「エンティティ(実体)検索」ともいう。来週、弊社がニューヨークで開催する「SMX East 検索マーケティングショー」で、これをテーマにしたパネルディスカッション「『エンティティ検索』革命の到来」が行われる。このパネルは、検索エンジンが単語の背後にある意味を取り出す方法を取り入れた「セマンティック検索」をテーマにした一連のセッションのひとつである。このセッションとショー全体の詳細は、日程ページで確認できる。