Facebook Exchange:買い物カゴの商品がFacebook広告に変わるまで

日付:
2012/10/22
カテゴリ:
ソーシャルメディア
ライター:
Danny Sullivan(翻訳)

※この記事はMarketing Landの許諾を得て、以下の記事を翻訳したものです。
Facebook Exchange & How My Drugstore.com Basket Got Turned Into Facebook Ads

不思議な気がした。私のFacebookページに表示される広告に、Facebook以外の場所で探していたものとまったく同じタイプのカミソリがあったのだ。どうやってFacebookはそれを知ったのか? 答えはシンプルだ。最近開始されたFacebook Exchange(FBX)を通じて「リターゲティング」を行ったのだ。
FBXや一般的なリターゲティングにまだ慣れていない方も、ついてきてほしい。それがどのように機能するか、個人的な体験から紹介しよう。

リターゲティング(Retargeting)とは何か?

リターゲティングとは、Googleで「リマーケティング」と呼ばれている広告手法で、ウェブ上で行ったアクションを基に広告を表示できるシステムである。
例えば、あるホテルのウェブサイトを閲覧したとする。別のサイトへ行ったとき、もしそのサイトがリターゲティングを許可していれば、そこでもホテルに関するメッセージを表示し続けることができるというものだ。

Googleは最大級のリターゲティング広告ネットワークを持っている。私たちの発行元であるThird Door Media でさえ、SMX ( Search Marketing Expo ) に関する広告にリターゲティングを使っている。
Googleの広告部門全体を監督しているSusan Wojcicki 氏は、今年初めのSMX West の基調講演で「どのサイトに行っても自分の顔を目にした」と冗談を言っていたが、この広告がどのようにGoogleのネットワークを経由するかを物語っているだろう。

Facebookのリターゲティング広告

先月開始されたFacebook Exchangeにより、リターゲティング広告の新たな1章がはじまった。FBXによって初めて、広告主はオープンなウェブ環境でできるのと同じ方法で、Facebook内で消費者をリターゲットできるようになった。それが私の見たカミソリの広告である。
FBXが運用されてから今月初めて、私は広告を見て「すごい」と思った。そしてFBX広告が、どれだけ効果的であるかを知った。

私の個人的なリターゲティング体験

数か月前、私は違う種類のカミソリ刃を購入し、間違ってパッケージを開けてしまった。私はGillette Mach 3のカミソリを使用していて、私が購入したGillette Sensorのカミソリ刃は使えなかったのだ。パッケージを開けてしまったため、もう返品することはできなかった。そこで私は、Gillette Sensorのカミソリの柄を購入し、カミソリ刃を使うことを決めた。

だが、どんなショップもGillette Sensorの柄を取り扱っていないようだった。考えてみれば不思議なことではない。このカミソリは1990年に発売されており、今では20年物なのである。カミソリ刃自体はどこででも売られているが、多くの人々には、2枚のカミソリ刃「だけ」があれば十分だ。しかし、カミソリの「柄」は? それを探し出すには、インターネットを使う必要があることに気づいた。

先週Googleでいくつかの販売元を検索し、いつもやっているようにいくつものウィンドウを開いた。そして結局、eBayのあるショップで買うことにしたのだが、そのカミソリをDrugstore.comでも見つけ、買い物カゴに入れていた。

私はDrugstore.comにアカウントは持っていず、だからログインもしなかった。
利用しているブラウザにあるクッキーにリンクするのか、オンライン小売業者はごく一般的な手法を使って、ログインしなくても訪れる人々のカゴの中身を保存しているようだ。

そして同じ日、Facebookで下の方に表示されていた例の広告が私の目を捉えた。Gillette Sensorカミソリの広告である。

FBXの機能に間違いない、と思った。それ以外に、Facebookで20年物のカミソリの広告を突然目にする理由はまったく思いつかなかった。

好奇心から、別の実験をしてみることにした。
Drugstore.comで適当に別の商品、Phisodernのスキンクレンザーを選び、買い物カゴに入れてみた。そしてFacebookへ行ったところ、この広告がすぐに表示され出した。

これできわめて明らかになったように思えた。Drugstore.comの買い物カゴに入れた商品なら何でもFBX経由でFacebook広告に取り込まれる可能性が高い。
だが、確証を得るため、Drugstore.comを所有するWalgreensに問い合わせた。回答は以下のとおりだった。

「私どもはマーケティング戦略についてはコメントできません。」

この回答を、ネガティブに捉えたわけではない。ただ、ここにはプライバシーに関する問題の可能性があるため、この件については記事の終わりで語る。
しかし、Walgreensがコメントを控えるとは思ってもみなかった。ましてや、回答を受けた2時間以内に、このリターゲティング広告の中止を知ることになるとは思ってもみなかった。

今朝表示されていた広告は、今では表示されていない。Drugstore.comで買い物カゴに新しい商品を入れても、その商品の広告が表示されることもない。たまたまだったのかもしれないが、Walgreensが私の質問に恐れをなし、リターゲティングを停止したのではないかと疑っている。

リターゲティング広告を見分ける方法

Facebookに、この状況がリターゲティングによるものかを質問したが、返事はまだ受け取っていない。
Facebookのリターゲティングを共同で行なっている約20社のうちの1社、Triggitの売上管理責任者(the chief revenue officer)のChris Zaharias氏に同じ質問をしてみた。

断っておくが、TriggitはWalgreensが利用しているソリューションではない。ただ私はZaharias氏を長年知っていて、彼がFacebook Exchangeの専門家で、これがFBXによるものかどうかがすぐわかると考えたのだ。
予想どおり、Zaharias氏は私に教えてくれた。

「それは、FBXによるリターゲティングだと言って間違いないと思います。
確認するには、広告自体の右上にある『×』をクリックし、『この広告について』をクリックしたとき、どのページに到達するかを見てみてください。もし、Facebookページにたどり着いたら、それは興味・関心をベースにしたターゲティングであってFBXではないのですが、そのキャンペーンを実施しているリターゲティングDSPベンダーのページにたどり着いた場合は、FBX経由のリターゲティングです。
ちなみに、彼らは私たちの顧客ではありません」

例の広告はもう表示されないので、Zaharias氏が説明してくれたテストはできないが、別の広告で試すことはできる。

例えばZapposの広告で、右上にカーソルを重ねると「×」が表示される。その「×」をクリックすると、ポップアップウィンドウが表示され、そこに「この広告について」というオプションがある。それを選択してクリックすると、広告について説明するFacebook上のページへ飛ぶ。

次に、リターゲティング広告の場合。
例えばAlly Bankの広告を使用した場合、広告をクリックすると、DataXuのこのページにたどり着く。

この広告は、 Facebook Exchange によってもたらされたことが、ページ内では説明されていない( Triggit のプライバシーページも同様。他のFBXパートナーのページも似たり寄ったりだろう)。ここにはまた別の(簡単に解決できる)プライバシー問題があり、それを次に説明する。
このページはオプトアウトのオプションは提供している。

追記(7:30pm ET): Drugstore.comのリターゲティング広告をまた目にするようになり、「この広告について」のページによれば、リターゲティング広告でDrugstore.comはTellApartと連携しているらしい。

プライバシー問題

プライバシーの面では、例えばあなたはDrugstore.comで、人に知られたくないものを購入することもあるだろう。そしてその広告を、同僚や他の人々があなたの肩越しで見るかもしれないFacebookに掲載してほしくはないはずだ。

これは当然、あらゆるタイプのリターゲティング広告に関しても同じことだ。解決策は、正しいバランスを取ることである。
それには、消費者がリターゲティングされているとき、リターゲティングされていると理解できるようにすること、またオプトアウトする方法を徹底することだ。

Facebook は Facebook Exchange システムに関して、その広告がリターゲティング広告であることや、どんなネットワークが含まれており、消費者が望まない場合に Facebook 経由や該当ベンダー経由で無効の設定ができる方法を説明するページを提示するべきだと私は考える。

マーケッターにとっての新しいフロンティア

広告主にとってリターゲティングは、Facebookの外ではこれまでも使われてきた強力な手法でもあり、Facebook自体で利用できるようになったことはもちろん魅力的である。
Zaharias氏によれば、オープンなウェブ環境よりもFacebookの方がずっと魅力的だという。

「とても多くの人々が長い時間をFacebookで費やしているという事実が、Facebookでのリターゲティングをそれ以外の環境よりももっと効果的なものにしています。
Facebook以外の場所で私がリターゲティングされたとします。例えば私は、PaloAltoOnline、 Y! Sports、 SFGate、 ZeroHedge、 DrudgeReport、 UnderwaterTimes、 ScienceDailyなどの多数のサイト間を忙しく動き回っています。それぞれのサイトで過ごす時間が非常に短いため、その広告の効率性はずっと低くなるでしょう。

しかし人々は、仕事など今やっていることから離れて、特別なことは何も考えず、ただ休憩するためにFacebookに訪れています。そんな状況で目に入った広告は、商業サイトよりもはるかに強いインパクトを与え、興味・欲望・行動を呼び起こすことになるのです。
また、Facebookの莫大なユーザー数とFacebookでの滞在時間は、あるサイトへの訪問者がそのサイトを立ち去ってからすぐ、彼らの興味がまだ高いうちに、その訪問者の大部分をターゲットすることを可能にするのです」

Zaharias氏の会社のビジネスはFacebookのリターゲティングがすべてであり、そこから彼のこの広告に関する強気な姿勢が生まれていることは想像できる。だが、FBXのリターゲティング広告が、これまでのFacebook広告とは全然違う形で私の目に飛び込んできたことは確かだ。
人々は私同様、この新しい広告に目を留め、クリックもするようになるだろうと思う。