フィルタはアカウントに紐付くことを覚えておきましょう
2015年12月17日

Googleアナリティクスの初期導入や設定変更のサポートをしていると、ビューに対して行うフィルタ設定は避けては通れません。以前のコラムでも下記のようなニッチな使い方を取り上げましたが、対象のIPアドレスを除外するなどはよく使われるフィルタといえます。

Googleアナリティクスで個人確認用のテスト環境ビューを作る方法|コラム アユダンテ株式会社

そんなフィルタで見落としがちなのが、フィルタはアカウントに紐付くことです。アカウントに紐付くということはどのようなことなのかを改めて記載しておきます。

  1. フィルタ設定の場所について
  2. フィルタ設定がアカウントに紐付くことのメリット
  3. フィルタ設定がアカウントに紐付くことのデメリット

フィルタ設定の場所について

まずフィルタ設定ですが、Googleアナリティクスの設定画面より行います。下記のようにビューの列に存在するのが、アカウントに紐付くことを忘れさせるポイントの1つではないでしょうか。

Googleアナリティクスの「アナリティクス設定」にて、ビューのメニューに「フィルタ」がある

上記のフィルタをクリックすることで、フィルタの新規設定や既に存在するフィルタの修正が可能です。当然のことながら、新規設定や修正したフィルタは、フィルタを適用しているビューに対して内容が反映されます。
しかし、ビュー列の「フィルタ」にて新規フィルタを作成してもビュー独自にフィルタ内容が保存されるわけではなく、ビューを持つアカウントに対してフィルタのデータが保持されます。

フィルタ設定がアカウントに紐付くことのメリット

新しく登録したフィルタ設定がビューではなくアカウントに紐付くことで、アカウント内に存在する他のプロパティやビューに対しても簡単に適用することができます。
下記のようにフィルタを適用させたいビューのフィルタ設定画面から、既存のフィルタ内容を選択し設定を保存することで、新しくフィルタを作成する手間が大幅に省くことができます。

ビューへ対してフィルタを適用させる画面。「既存のフィルタを適用」を選ぶと作成済みのフィルタを適用できる。

フィルタ設定がアカウントに紐付くことのデメリット

気を付けなければいけないのは既に設定されているフィルタ内容を修正するときです。
一般的にはフィルタ内容を修正するときは、ビュー列にある「フィルタ」より遷移してフィルタ内容を変更することが多いかと思いますが、このように遷移すると修正しようと考えているフィルタが「どのプロパティ」の「どのビュー」に使用されているかわかりません。修正しようと考えているフィルタが他プロパティ内のビューにも適用されていた場合、そのビューで計測している内容にも影響を与えてしまう可能性があります。

フィルタ内容を修正するときは、そのフィルタがどのプロパティのどのビューに対して何のために使用されているかを認識した上で、フィルタ内容の修正を実行するようにしましょう。
確認方法を1つあげるのであればフィルタ内容を変更するときは、アカウント列の「すべてのフィルタ」より遷移することを心がけるという手があります。

「アナリティクス設定」のアカウントのメニューにも「すべてのフィルタ」というメニューがある。

小規模アカウントであれば1人の方が設定内容を把握しているため、フィルタ設定の変更による計測ミスは少ないですが、大規模アカウントになると関係者が増えるため共通認識を持ちづらくなります。
基礎的な部分ではありますが既存のフィルタ設定を見直し、トラブルの起きづらい計測設定を築いておきましょう。