SEO効果を失わない、サイト移行の注意すべきポイント

日付:
2014/6/24
カテゴリ:
GoogleウェブマスターツールSEO
ライター:
井上達也

Googleによるサイトの移行ガイドラインが、先日更新されました。手順については、ヘルプセンターに記載されていますが、その中でも、特に注意したいポイントについてまとめました。

2014/7/1追記:スマホサイトの移行のポイントも合わせてご参考ください。

サイトの移行は大きく2種類

サイト移行は大きく分けて以下の2つのカテゴリに分かれます。

  • 老朽化に伴うサーバ差し替えや仮想化など、インフラのみの変更で、URLの変更が発生しないもの
  • ドメインの変更や大規模なサイトリニューアルなど、URLの変更が発生するもの

URL変更の有無によって、サイト移行手順は異なりますがそれぞれ大まかな流れは次のようになります。

  • 【A】URL変更を伴わない移行の場合
    1. 新インフラの環境設定、コンテンツ設置、動作テストを行う
    2. DNS切り替えを行い、新インフラでのコンテンツ提供を開始する
    3. 旧サーバ、新サーバのトラフィック状況を監視し、移行の浸透状況を確認する
    4. 旧サーバで、トラフィックが無くなったことを確認した後シャットダウンを行う
  • 【B】URL変更を伴う移行の場合
    1. 新サイトの作成、動作テストを行う
    2. 現サイトのURLと新サイトのURLマッピングを準備する
    3. 新サイトの公開を行う
    4. 新サイトへのトラフィックが問題なく発生していることを確認する

上記の移行手順のうちポイントを絞って簡単に解説します。

URL変更を伴わない場合

[A-2 DNS切り替えを行い、新インフラでのコンテンツ提供を開始する際のポイント]

▼Googlebotからのアクセスをブロックしない

コンテンツを公開するWebサーバは極力セキュリティレベルを高め、安全な設定を目指す必要があります。
しかしスパム対策のつもりでFirewallやWEBサーバ(Apacheなど)でIP制限を設けたつもりが、誤ってGooglebotからのアクセスまで拒否してしまうと、Googleにインデックスされない事態になってしまいます。
こういった事態を防ぐために、公開後すぐにでもGooglebotがアクセス可能かを確認することをおすすめします。
確認にはウェブマスターツールの『Fetch as Google』機能を使用します。

Fetch as Google画面

Googlebotから正しくアクセスできない場合は、『Fetch as Google』機能でページ情報を取得することはできません。こちらの画像のように、ステータスにエラーが表示されず、「完了」になり、ページの情報が取得できているようであれば問題ありません。

なおGooglebotのIPアドレスの確認方法と、ユーザーエージェントの一覧は以下のページで公開されています。

GooglebotのIPアドレス確認方法:https://support.google.com/webmasters/answer/80553?hl=ja
Googlebotのユーザーエージェント一覧:https://support.google.com/webmasters/answer/1061943?hl=ja

参考にしてみてください。

URL変更を伴う場合

[B-2現サイトのURLと新サイトのURLマッピングを準備する際のポイント]

▼URLマッピングを作成する 2つの利点

ここでいうURLマッピングとは、新サイトと旧サイトのURL対応表のことになります。

ヘルプにもあるように、ごく単純な、数ページで構成されるようなサイトの場合や、サイトのホストを変更するのみであれば、URLマッピングは不要ですがある程度のページ数があるサイトであれば作成することをおすすめします。

URLマッピングを準備する利点は主に以下の2つです。

  • 旧URLへアクセスしたユーザーを新URLへ誘導する

    主な目的はこちらだと思います。
    URLマッピング情報をサイト側に持たせることにより、旧URLへアクセスしたユーザーが意識せずそのまま新しいコンテンツを利用できるようにします。

  • サイト移行プロジェクトの管理者にとって非常に有効な資料になる

    URLマッピングを作成するために、既存コンテンツ(URL)の洗い出しは必須の作業になります。
    ここで洗い出したURL一覧は、新サイトの設計、テストケースの作成などにそのまま利用できますし、次のサイト移行時にも有効に活用することができます。
    またそもそもこの情報がなければ、後述するリダイレクト処理をエンジニアが構築することはできません。

上記の内容からURLマッピングはシステムにとってだけでなく、人間にとっても汎用的に使用しやすいものにまとめておくとよいのではないでしょうか。
CSV形式などで保存しておくか、すぐにエクスポートできる環境が整っているのであれば、データベース管理でもよいと思います。

▼アノテーションの更新を行うための3つの設定方法

アノテーションとは、そのWebページについての付随情報を注釈として追記する機能です。
HTML内のheadタグ内に決められたフォーマットで記述することで設定できるのですが、サイト移行時にこの情報が古いままだと、うまく検索エンジンにインデックスされないという事態をうむことになります。

いろいろな設定が存在しますがヘルプにもある次の3つをご紹介します。

  • 各ページに、自身を参照するrel="canonical"メタタグを設定する

    この設定は複製コンテンツが異なるURLで生成される場合に、正規バージョンであるページのURLを設定することでその旨をGoogleに伝えることができる設定です。

    この設定方法については、こちらのページで詳しく紹介されているので、参考にされると良いかと思います。

  • 多言語、多国籍ページがある場合はrel-alternate-hreflangアノテーションを設定する

    この設定は多言語、多国籍ページを運用している場合に「このページの◯◯国向けのページはこちらですよ」「このページの◯◯語版はこちらですよ」とGoogleに通知するための設定です。

    例えば、企業情報ページURLが以下のようになっていた場合

    「日本語の企業情報ページ」 http://example.com/jp/corporate/about/
    「英語の企業情報ページ」 http://example.com/en/corporate/about/

    それぞれ同等のページですが対象言語が異なります。関連付けをGoogleに通知するために以下のように設定します。

    「日本語の企業情報ページ」へ設定

    <link rel="alternate" href="http://example.com/en/corporate/about/" hreflang="en" />

    「英語の企業情報ページ」へ設定

    <link rel="alternate" href="http://example.com/ja/corporate/about/" hreflang="ja" />
  • モバイル版のサイトがある場合はrel-alternate-mediaアノテーション を設定する

    こちらについては次回のコラムに記載します。

▼確実なリダイレクトのための準備

作成したマッピングを元に旧URLから新URLへリダイレクトを行えるよう準備をします。

確実にリダイレクト処理を実行するため、WEBサーバ(Apacheなど)や、サーバサイドスクリプトなど、サーバ側での処理を実装し、meta refleshやJavaScriptでの実装などクライアント側でのリダイレクトはなるべく避けて下さい。
この際、301リダイレクトを行うように準備してください。
302リダイレクトにしてしまうと、『一時的なリダイレクト』という扱いになってしまいGoogleも「リダイレクト元のページは存在している」と認識してしまいます。
301リダイレクトは『恒久的なリダイレクト』という扱いのため、新URLがインデックスされ、旧URLはインデックスされなくなります。

またリダイレクトを実施する期間はできるだけ長く、無期限も検討することが推奨されています。
サーバサイドスクリプトでリダイレクト処理を構築する、Apacheのmod_rewriteを利用するなど、長期間動作し続けても問題ないリダイレクトロジックを準備してください。
もし途中でリダイレクトをやめなければならない場合は以下のポイントを確認し、問題がないことを確認したうえで停止します。

  • Googleのインデックスが全て新URLになったことが確認できる

    これはGoogleの検索ウィンドウで『site:』を使用して確認することができます。
    例えばこの画像の場合は「http://www.ayudante.jp/blog/」に続くコンテンツのインデックスは存在しないことが確認できます。(実際に存在しないURLです)

    Fetch as Google画面
  • WEBサーバ(Apacheなど)の生ログから旧URLへアクセスしてきているトラフィックがないことが確認できる

    これは単純に旧URLへのリクエストが発生していないか、を確認します。
    リクエストが多いようであれば、まだインデックスが残っている、どこか(外部サイト含め)に旧URLのリンクが残っている、ということが考えられます。

最後に、リダイレクトの連鎖は旧URL→新URLなど極力少なくなるように設定します。
ヘルプも記載があるように5個未満(できれば3個以下)にしてください。
そもそも、特にモバイルなどでは複数のリダイレクトによりエラーとなってしまうものも存在します。
ユーザービリティという観点でもリダイレクト回数は少なく抑えたほうが良いです。

[B-3 新サイト公開を行う際のポイント]

▼できる限り一括でURL移転を行う

サイトの開発は限られた期間、限られたリソースで行うことが多いと思います。そのため機能毎に取りあえずリリースするといったことが多いのですが早く移転後サイトをGoogleにインデックスしてもらうために、出来る限り、全URLを一括でリリースすることをおすすめします。

▼移行をスムーズに認識させるためのサイトマップ送信

新サイトにて、旧URLと新URLを含むサイトマップ(sitemap.xml)を送信します。
一見、新URLのみの送信でよいように思えますが、積極的に旧URL→新URLのリダイレクトを認識させることによりサイト移行をスムーズに認識させることができるようです。
もちろん正しくリダイレクト設定ができていることが前提です。

これらのポイントは、スマートフォンサイトの移行でも同様です。ですが、スマートフォンサイトの移行には、これ以外にも、いくつかのポイントがあります。それについては、次回のコラムで、ご説明します。